17 July '2005 - 11:24 | アメリカ生活, 子育て, 日米対決 世界をリードする日本
昨日、娘のプレイグループ関連でバーベキュー大会があった。 かなり多くの人が集まってびっくりだったが、全員とそれほど喋れたわけじゃなかったのが残念だった。だが、同世代の息子を持つ二人のアメリカ人と交わされたどうしようもなくくだらない会話が、おれの今年の最高の収穫となったのだから面白い。その収穫とは、パワーレンジャー、つまりアメリカ版ゴレンジャーの存在を知ったことだった。
そういうものがあるとは知らなかったおれは、そんなものがアメリカにあると知ってすごくびっくりしたのだが、同世代の息子をもつ彼らに、パワーレンジャーについていろいろ訊いた。
まず確認したのは、彼らがパワーレンジャーを見て育ったかどうかだった。彼らは親になって初めて知ったと言っていた。おれはゴレンジャーを見て育ったと 言ったら、すごくビックリしていた。なんだ、おまえら、素人かよ。そうと分かれば、おまえらなんかケチョンケチョンにしてやるぜとばかりにおれは自慢し始 めた。ショッカーもしらんのに偉そうなことを言うなっての。
パワーレンジャーは日本のゴレンジャー(もしくはその続き)を輸入したものであって、その逆ではなかった。そして、おれは子供たちの興奮について、実体験 として理解できるし遊びにも本気で参加できるのだが、彼らは子供時代に体験していないのでぜんぜん使えない。黄レンジャーは、「まーかせんしゃーい!」っ て言うんだよ、まったく、素人が。
勝ち誇ったように気分よく家に帰ってからわざわざ調べてみたら、パワーレンジャーは 1993年にアメリカに輸入されていたことが分かった。基本的に、日本のアクションシーンをそのまま使い、ドラマ部分をアメリカの設定で撮り直すという方式らしい。
アメリカの設定らしいと思ったのは、イエローのレンジャーが女性であること、アジア人や黒人などが入っていること、5人に拘らずに 6人にしちゃった場合もあること、日本のように何々レンジャーと名前を変えるのではなくパワーレンジャー何々というようにサブタイトル名を変えていること か。スタートレックみたい。
で、なるほどなあと感心しながらいろいろと調べていたら、今回の一番の重大な発見して笑いが止まらなくなった。
今、息子が凝っているマジレンジャーは、なんと来年から、パワーレンジャー・ミスティック・フォースと して放送されるのだ!パワーレンジャーシリーズは、日本の手を離れてアメリカ専用設定で独自に続いているわけではなく、日本の現在の何々レンジャーをもと にアメリカ化して続いているのだ。つまり、日本の何々レンジャーがオリジナルであり、それを知るものが世界を制すというわけだ。プログラマ的にいうなら ば、パワーレンジャーは fork ではなく、本家の localization というわけだ。
そういうわけで、息子はすでに一年先を行っていることが判明した。彼らにとって一年というのは我々からみれば十年にも相当する長い期間だから、もう、これ は、息子の一人勝ちすぎるということになる。もし、マジレンジャーの超合金のおもちゃとか手に入ったら、すごいことになるだろう。まだ、アメリカの子供た ちは見たことがないのだ。存在すら知らないのだ。それを、もう持っているというのは、要するに未来から来たようなものだろう。
次から、日本からうちに遊びに来る人は、おみやげはマジレンジャー関係でおながいします。
アニメのみならず実写でも、この分野をリードし続けているのは日本のようだ。こうして子供のうちから日本の文化に洗脳させて、世界を日本にしてしまうとい うのは、素晴らしい戦略だと思う。そこら中に中国人を配置するというようなことは、順応性が高すぎる日本人にはできないだろうが、世界中の子供たちを日本 の子供たちにしてしまうことはできそうだ。
っていうか、いいのか、キレやすい子供とか作りまくっても。もしかして、世界がまずい方向に行くだけなんじゃないだろうか。まあ、そういう難しいことは歴史が検証することだから、今は、とにかく世界を日本にしてしまうことだけに専念するのが我々の務めというものだ。
いずれにせよ、これは、日本語を勉強する動機として最高すぎる。生かさない手はない。
「なんじゃこれー」と思った覚えがあります。アメリカ経由なんだろうな?
なかの - 17 July '2005 - 12:08
あ、最近の日本のやつもイエローは女性ですよ。女性2人がデフォルトのような。
koji - 17 July '2005 - 22:05
欧州も日本化が進んでいるわけですね。将来が楽しみです。で、アメリカ経由というのはたぶんそうなんでしょうけれど、英語を聞けばアメリカのをそのまま輸入しているかどうかは判明するんで、ぜひ番組を見て確認しておいて下さい。調べておけばいつか役に立つときが来ます。
ちなみに、テロ以来、ニュースなどで本場の英語をよく耳にするのですが、いつ聞いても、ほんと聞き取りにくくて困ります。
koji さん
どうやら、そうみたいですね。で、気になって調べてみたところ、面白いことが分かりました。
アメリカを席巻した最初のパワーレンジャーは Power Rangers Mighty Morphin というのですが、これは恐竜戦隊ジュウレンジャーをモトにしています。で、ジュウレンジャーの場合、黄色のタイガーレンジャーは男ですが Yellow Ranger は女性でした。
黄色は女だろって思ったのか、女が一人ってのはダメだろって思ったのかは定かではありませんが、これらの設定はアメリカが先だったわけです。女はピンクである必要はない、女が紅一点である必要はない、というのはアメリカから逆輸入されたものであった、と。さもありなん。
ところで、調べるついでに Power Rangers Generations というのが TiVo にひっかかったので 30分見てみました。夜中の 1時すぎに。
で、これ、正式には Power Rangers Turbo の第二部という感じで、日本では激走戦隊カーレンジャーがモトなのですが、リーダーの赤レンジャーは黒人、青レンジャーはサッカー好きな小学生、車なんてまったく出てこないし激走なんてゼロ、って感じで、設定がまったく違いました。
知らずに見てたら完全にふつーのアメリカの子供向けドラマという感じのストーリー。たぶん、アメリカ人にもまったく違和感がなく、日本文化的な部分がほとんど感じられなかったのが私としてはちょっと残念。ま、仕方ないか。
スーパー戦隊ものという設定自体は完全に日本的なので、どこまで行ってもこの分野では日本は追い越せないだろうなってのは感じられたので、夜中に 30分を費やしてもちゃんとモトは取れたんですけれどね。
なお、スーパー戦隊に関しては、ゴレンジャーからマジレンジャーまでの全リストが載っている http://www.super-sentai.net/sentai/index.. が便利です。イソターネット最高。これさえあれば、もうバーベキューも誕生会も怖くないです。
ひろしま () - 18 July '2005 - 02:00